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民主党
 
 
 
平成17年9月定例会一般質問会議録 (05/09/26)
 
1.成年後見制度について  
2.行政評価について  
3.地域交通網の充実策について
 
 
 
○議長(真田護君)

続いて、1番時尾博幸君。

(1番時尾博幸君登壇)


◆1番(時尾博幸君)

(拍手)会派は無所属ですが、民主党の時尾博幸と申します。

通告に従いまして、3点質問をさせていただきます。

まず、1点目の成年後見制度について質問をさせていただきます。

平成12年4月からスタートした成年後見制度は、認知症の人、知的障害のある人、精神障害のある人など、判断能力が不十分な人々の財産や権利を守る制度であります。

私自身は、学生時代に法律を勉強していてこの制度を知りましたが、介護保険制度とともに高齢社会を支える車の両輪と言われながら、まだまだ一般の方にはなじみのない制度で、利用者の多くの方は財産管理のために利用しているというのが実情であります。自己決定の尊重と本人保護という理念でつくられた成年後見制度についての市民へのPRがまだまだ不十分だと思われます。認知症などの高齢者、知的障害者などの権利や生活を守る重要な制度であるので、十分に市民の方に周知を図っていただきたいと思います。この成年後見制度についての市民への周知方法について、どのように考えているのか、お尋ねいたします。

平成17年7月13日に、全国で相次いでいる悪質住宅リフォーム被害を受け、政府が、認知症の高齢者に対する保護強化などの緊急対応策を決定しました。緊急対応策として、自治体への相談窓口の設置や消費者生活センターとの連携を挙げています。ケアマネジャーやホームヘルパーなどと連携した対策を検討している自治体も出てきています。

住民に一番身近で、各種サービス提供の実施主体である市町村が、住民の権利擁護の必要性を迅速に把握できる立場にあると思います。成年後見制度の活用をさらに進めるほか、市町村として住民の権利擁護にどう取り組んでいくかは重要な課題だと思われます。

平成18年4月施行の改正介護保険法では、全国の市町村に「地域包括支援センター」が新設されることになっております。

福祉サービス利用や日常の金銭管理などを手伝う地域福祉権利擁護事業を行ってきた各地の社会福祉協議会などに加え、来年度に設置をされる地域包括支援センターは権利擁護の機能を持っているので、その活用をぜひ積極的に図っていただきたいと思っております。この地域包括支援センターのあり方についてどのように考えているのか、お尋ねをさせていただきます。

この項最後に、成年後見制度の申立権についてお尋ねをいたします。

先ほども紹介いたしました平成17年7月13日の政府が認知症の高齢者に対する保護強化などの緊急対策の中で、成年後見制度の改正も明記をされていました。配偶者ら近い親族がいない人の後見人の選定を市町村長が家庭裁判所に申し立てる際、これまでは四親等以内の親族が存在しないとの確認が必要だったのですが、今後は二親等以内の親族がいなければ、申し立てが可能となるそうであります。後見人を立てやすくすることで、認知症の老人らへの被害をできるだけ防ぐのがねらいですが、近い親族がいない場合、市長がかわって申し立てる制度については、家族の問題に過度に介入することのないよう、家族状況などをよく調査し、適切に運用していただきたいと思います。
この市長申し立てについて御見解をお尋ねいたします。

2点目の行政評価についてお尋ねをさせていただきます。

この項1点目の市民企画提案事業の評価についてお伺いをさせていただきます。

まず、この定例会の中でも、複数の議員が質問をされた市民企画提案事業についてでございますが、今年度から新たに実施をされた市民企画提案事業は、今後もこの事業を継続されていかれるとのことですが、まだ始まったばかりの事業ですので、今後継続をしていく上で、事業の見直しなどを今後行われるものと思います。

他都市の事例ですが、高知市では平成15年度から「まちづくり一緒にやろうや条例」──高知市市民と行政のパートナーシップのまちづくり条例──が施行され、市民の自主的なまちづくり活動を支援する仕組みとして、「公益信託高知市まちづくりファンド」が創設されました。このまちづくりファンドから、まちづくり活動を行う市民団体に助成金を給付し、市民の皆さんのまちづくり活動を応援するというものです。この事業では、助成を受けた団体は、中間発表会や最終発表会で活動の状況や成果等を発表いたします。

発表会では、助成を受けたそれぞれの団体が活動の問題点や課題を話し合い、お互いの情報交換の場としているそうであります。また、ほかの団体の活動方法を学習することによって、今後の活動を充実させるための機会とされているそうであります。また、まちづくりの知識や経験の豊富な運営委員による情報提供や助言を受けることができるそうであります。中間発表会及び最終発表会には、助成を受けた団体に限らず、まちづくりに関心のある方、来年度の助成事業に応募してみたい方など、だれでも参加できるそうであります。

倉敷市の市民企画提案事業でも、実施要綱の中で、第10条の2項で、「市が一般公開で当該市民企画提案事業に係る中間報告会や事業成果報告会の開催等を行うこととした場合には、提案者は積極的に協力しなければならない。」との規定がありますが、ぜひ高知市の事例のような中間発表会や最終発表会の場を設けていただきたいと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

また、これは提案ですが、千葉県市川市では、納税に対する意欲を高めるとともに、市民活動団体の活動を支援し、促進していくことを目的とした「市川市納税者が選択する市民活動団体への支援に関する条例」を制定し、市民の手による地域づくりの主体であるボランティア団体やNPOなど市民の自主的な活動に対して個人市民税納税者が支援したい1団体を選び、団体の事業費の2分の1を上限として、個人市民税額の1%相当額を支援できるというものや、先ほど挙げました高知市の公益信託高知市まちづくりファンド助成事業のように、市のお金だけではなく市民や企業等からの寄附などを加えていくなど、倉敷市の市民企画提案事業が継続をしていく中で他都市の事例も参考にしながら改善を進め、さらによい事業となることを期待しております。

行政評価についての2項目めですが、古市市長が選挙戦で掲げられたマニフェストについてお尋ねをさせていただきます。

古市市長は、ローカル・マニフェスト推進首長連盟という会に入会をされて活動されております。私も、首長側ではなくて地方議員側のローカル・マニフェスト推進地方議員連盟というのに入会をいたしまして、この倉敷市議会でも、私を含め2名の方が活動をしております。

全国の動きの中で、なかなか、首長側ではなく議員の側からこのマニフェストをつくるというのは難しいところがあるんですが、千葉県の流山市議会では最大会派の新世会が、全国でも初めての試みで議会版のローカル・マニフェストに取り組んでいる動きもあります。

このローカル・マニフェスト推進の地方議員連盟の懇談会に参加をさせていただいたときに、前の三重県知事の北川 正恭早稲田大学大学院教授とお話をする機会がございました。古市市長と同じ早稲田大学の出身で、市長の岡山県議時代には、北川氏と一緒に海外視察に行かれたこともあるというふうに伺っておりますが、北川氏も、ぜひ古市市長に頑張っていただくようにと言われて帰ってまいりました。

発起人を代表されているお一人で、愛知県の犬山市長の石田芳弘氏は、市の広報を利用しマニフェストの進捗状況を市民に報告をされています。さきの議会で公明党の磯田議員からの質問で、そのマニフェストの評価について、市長は、「市民の皆様に判断をお任せする」と、評価についてそのような旨の発言をされました。その市民の皆さんに判断をしていただく材料として、例えば任期の4年間のうち、2年──半分であるとか1年ごとに、市長のマニフェストの取り組みの途中経過といいますか、進捗状況を市民の皆さん、そしてこの議会でも議論ができるような情報提供を積極的に行っていただきたいと思います。このマニフェストの中間報告の件について、市長はどのようにお考えなのか、お考えをお伺いいたします。

最後に、3項目めに地域交通網の充実策についてお伺いをさせていただきます。

1点目のコミュニティバスについてでありますが、この平成17年度9月補正予算でついております船穂・真備地区のコミュニティバスの予算のことにつきましては、ほかの議員からの質問がございましたので、割愛をさせていただきます。

2点目、最後に倉敷市街以外への横の地域の移動についてお考えをお尋ねいたします。

私が地域で市民の皆さんの声を聞いている中で、水島の地域を歩いている中で伺った声で、今度、船穂町と真備町と一緒になって新しい倉敷市になったわけですけれども、これまでの旧倉敷、玉島、児島、そして水島を含めた地域の旧市の名残が、依然としてまだまだ残っているというふうに言われる声が多くあると思います。

それぞれの旧倉敷へ出る、水島、児島、玉島、そして船穂、真備等々から倉敷の中心市街に出る交通手段はJRや水島臨海鉄道等であるんですが、先ほどの地域で伺った市民の方の声で、例えば水島は、玉島と児島の間に挟まれて停滞する一方だというふうに言われていました。この地域交通網の充実策の一環として、交通空白地域の議論だけではなくて交通政策を検討する上で、例えば児島や水島等、横の地域のつながりを深める、そういう交通政策を検討されてはいかがかと思います。以前には、水島臨海鉄道の延長化等の議論も取り上げられることもありましたが、予算的に、また需要等で難しい面もあると思います。現状を踏まえて、そのような総合的な交通政策に取り組まれることをお願いさせていただきまして、私からの質問とさせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)


○議長(真田護君)

答弁を求めます。古市市長。

(市長古市健三君登壇)

◎市長(古市健三君)

時尾博幸議員の御質問にお答えします。

行政評価についてのうち、マニフェストの進捗状況や達成状況について、公表の方法をどのように行うのか、こういう質問にお答えをいたします。

私が掲げましたマニフェストは、5年間で職員400人削減、市長給与3割カットといった市役所改革を初め、観光都市くらしきの復活に向けたアクションプランの策定、倉敷地域ナンバーの導入や「くらしきブランド」開発の取り組み、さらにはよい子いっぱいのまちづくりのための英語教育推進特区の認定など、着実に前進いたしております。

間もなく市長就任後500日が経過するわけでありますが、今後、マニフェストの実現はもとより、行財政改革を加速していくためにも、その進捗状況や達成状況を的確に把握していくことが大切になってくるものと考えております。

御承知のように、個別の事業状況につきましては各担当部署において、逐次広報紙や新聞、テレビなどを通じて市民の皆様に御報告させていただいているところであります。

また、昨年11月に設置しました「ひと、輝くまち倉敷。」推進会議の中でマニフェストの進捗状況をチェックし、その結果を、毎年できるだけ早い時期に市民にわかりやすい形で公表したいと考えております。

いずれにいたしましても、マニフェストを掲げて市政に取り組むことで、市民の皆様の市政への関心が高まり、行政にも明確な目標が生まれ、効率的な行政経営が可能となってまいります。引き続き、市民の皆さんと直接に対話させていただく機会を活用するなど、私みずからも適宜わかりやすく状況を報告させていただき、市民の皆様の評価を受けてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。

その他の御質問につきましては、担当よりお答えをさせていただきます。

○議長(真田護君)

小池保健福祉局長。

(保健福祉局長 小池信之君 登壇)

保健福祉局長(小池信之君)

成年後見制度について3点の御質問にお答えします。

まず、この制度の周知方法についてでございますが、本制度は、認知症の方、知的障害の方、精神障害の方など判断能力の不十分な方々の日常生活を支援し、権利を擁護するための重要な制度であると認識しております。

議員御指摘のとおり、制度の普及・利用は、まだまだ十分とは言えない状況にあります。今後とも、制度の周知につきましては、広報くらしき、ケーブルテレビ、エフエムくらしきなどを通じまして、親族や民生委員のほか、ケアマネジャー等の福祉関係職員へのPRに努めてまいりたいと考えております。

次に、介護保険制度の改正によりまして、地域包括支援センターを設置することとなりますが、担当する事業の一つとして権利擁護に関することがございます。成年後見制度及び権利擁護事業に関して窓口が拡大するということから、制度の利用促進に効果があるものと考えており、担当職員の研修などを積極的に行い、制度の周知、利用促進を支援してまいりたいと考えております。

3点目の市長の申し立てにつきましては、家族や親族の状況を十分に調査した上で適切に取り扱ってまいりたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。

○議長(真田護君)

三宅総務局長。
            
(総務局長 三宅英邦君 登壇)

◎総務局長(三宅英邦君)

市民企画提案事業の評価についてでございますが、この事業につきましては、提案されました事業の審査段階から実施後の評価までの過程を、できるだけ市民参加で行うことを目指しております。

これまで有識者や公募市民の方などで構成いたします倉敷市行政改革推進委員会によります審査会におきまして、提案事業の内容や審査過程を公開するとともに、この事業に関するさまざまな情報を広報紙やホームページで公表してきたところでございます。

これから各事業が実施段階に入りますが、この実施状況、実施結果につきましては、随時ホームページや広報紙で公表していきたいと考えております。事業が終了した後は、公開で事業報告会を開催し、市民の皆様の評価を受けたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○議長(真田護君)

河田建設局長。

(建設局長 河田育康君 登壇)

◎建設局長(河田育康君)

地域交通網の充実策についての御質問のうち、倉敷市街以外の横の地域の移動についてでございますが、現在、玉島地域と水島地域、水島地域と児島地域を結ぶバス路線は、一部にはございますが、議員御指摘のとおり、児島・水島・玉島地域の中心市街地を直接結ぶバス路線はございません。しかし、現在の市内バス路線の利用状況や今後の需要予測などを勘案いたしますと、直ちに児島、水島、玉島の中心市街地をバス等の公共交通機関で結ぶことは難しい状況にあります。そのため、総合的な交通政策に取り組んでいく中で市内の主要な地区間の公共交通のあり方についても検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 
 
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