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民主党
 
 
 
平成19年9月定例会一般質問会議録 (07/09/20)
 
1.児童扶養手当の減額について
2.小・中学校校舎の耐震化事業予算ほか大型事業予算について
3.国民宿舎王子が岳について
 
 

◆4番(時尾博幸君)

(拍手)青空市民クラブの時尾博幸です。

通告に従いまして、3点質問をさせていただきます。

まず最初に、児童扶養手当の減額について質問をいたします。

先日の磯田議員の質問と重複するところもございますが、観点を変えて質問をさせていただきます。

平成20年4月1日から、児童扶養手当が減額されることになっています。児童扶養手当は、死別、離別等により母子家庭と なった世帯に、所得制限はあるものの、最高、第1子に対して4万1,720円、加算として第2子が5,000円、第3子以降3,000円が支給をされ、日本経済の低迷の中、経済的に恵まれない母子家庭の生活を支えてきた制度であります。ところが、詳細はまだ決定されていない部分もあるようですが、基本的には支給開始の月から5年経過したとき、もしくは支給要件の発生した日から7年を経過したときのいずれか早いときから、最大で2分の1までを減額するというものであります。減額の幅についての要件は、まだ詳細が示されていないとのことであります。

制度の趣旨は、経済的に恵まれない母子家庭に、所得制限を設けて、一定の生活水準の維持のために手当を支給するということにあります。ですから、所得がふえ、一定の生活水準に達したので手当額を所得に合わせて減額するということであれば理解もできますし、当然そうあるべきものと思います。しかし、所得の増加、生活水準の向上とは関係なく、一定の年数が経過したら自動的に減額されるというのは、制度の趣旨に反するのではないでしょうか。認められるべきことではありませんが、現実の問題として、男女の給与格差がある中で、所得的に恵まれない母子家庭の生活水準を維持するための手当が、所得の増加に関係なく減額されるということは、憲法に保障された最低限度の生活の維持を、権利でなく恩恵と考えているとしか思
えません。

倉敷市として、制度の趣旨、運用のあり方について、また、このたびの予定されている減額という制度変更について、どのように考えているのか、お尋ねいたします。

また、倉敷市としての減額部分の補てん、あるいは激変緩和のための措置等につきましては、さきの磯田議員さんの質問で、再質問までされておりますので、その点につきましては、十分な配慮をするよう重ねて要望いたします。

次に、小・中学校校舎の耐震化事業予算ほか大型事業予算について質問をいたします。

まず、小・中学校校舎の耐震化事業及びその予算についてお尋ねいたします。

このたびの補正予算の中に、小・中学校校舎の耐震化事業費として、小・中学校56棟の耐震診断委託料1億2,400万円の要求が出されております。説明によりますと、平成22年度までの3年間に耐震化率100%を目指して、236棟の耐震改修工事を予定しているとのことです。その経費は約100億円程度となっています。小・中学校校舎の耐震化工事の必要性を否定するものではありませんが、本当に事業としてきちんと考えられ、優先順位として正しく精査されているのか、幾つかの疑問をただし
ておきたいと思います。

まず、事業そのものが可能であるのでしょうか。列挙してみますと、1点目として、3年間で236棟の改修工事に、設計、工事とも業者の対応は可能なのでしょうか。これだけ地域経済が冷え込んでいるときに、市外、県外業者へ発注してでも短期で工事を終えるということなのでしょうか。2点目として、仮設校舎の設置費用などはどう計算されているのか。3点目として、学校現場の安全確保等混乱は起こらないのか。4点目とし
て、現状でも、学校に限らず全般に予算不足の中で、身近な修繕費などが不足しているのに、それに拍車をかけることにならないのかと思われます。このように考えると、そこまでして3年間で100%にこだわらなければならない理由があるのかと思われます。

また、周辺開発を含む倉敷駅付近連続立体交差事業関連経費、市立短期大学の4年制化、まちづくり交付金事業など大規模事業が取りざたされている中で、耐震改修事業予算は、長期的な財政計画や後年度負担を考慮した中期財政試算の中で、どの
ように見積もり、位置づけているのか、お尋ねいたします。

また、財源として、国庫補助金、市債を上げていますが、その内訳はどのようになっているのでしょうか、お尋ねをいたします。

合併特例債を活用することとしていますが、つまるところは借金であり、後年度負担をふやし、次世代へしわ寄せすることになりますが、このことについてどのように考えているのか、お尋ねいたします。

最後に、国民宿舎王子が岳について質問いたします。

倉敷市児島唐琴町にある国民宿舎王子が岳は、昭和42年のオープンから40年経過し、施設の老朽化が進み、長年建てかえが検討されてきました。具体的作業に入る段階で、国民宿舎王子が岳のすぐ近隣にある政府管掌健康保険保養所施設のホールサムインせとうちが売却されることがわかり、それを買い取る方が安く上がるということで、建てかえを1年待ちました。いざ、その時期が来ると、倉敷市として入札に参加しないという方針が出されました。官から民へという流れに、官があえて手を出すべきではないということが判断理由と伺っています。結果、民間業者が1億2,000万円で落札をしたようであります。

国民宿舎王子が岳を建てかえした場合、19億円程度かかる見積もりをされていたそうでありますが、ホールサムインせとうちを購入していれば、1億円強で施設が手に入ったのは惜しいことをしたというふうに思います。

国民宿舎王子が岳は、施設の老朽化が激しく、大修繕か建てかえの必要に迫られています。過去には、3階にある女性ぶろで、ふろ場の天井が落ちることもあったそうであります。幸い深夜であったため騒ぎにはなりませんでしたが、もし入浴中の時間帯であれば大騒ぎになったところであります。また、施設にはエレベーターがなく、バリアフリーにも適合をしていません。

ホールサムインせとうちの入札に参加しなかったことは、みすみす損をしたと思われ、民間業者に落札後、活用されていないホールサムインせとうちを今からでも買い取ってはどうかと考えますが、お考えをお尋ねいたします。

以上3点、私からの質問とさせていただきます。執行部の明快な答弁を求めて、私の質問を終わらせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

○議長(秋山正君)

答弁を求めます。古市市長。

(市長 古市健三君 登壇)

◎市長(古市健三君)

時尾博幸議員の御質問に順次お答えをいたします。

小・中学校校舎の耐震化事業についてでございますが、東南海・南海地震の発生が懸念される中、学校は児童・生徒が学習及び生活の場として1日の大半を過ごす施設であり、また市民の避難場所として、安全確保のため耐震化に最優先で取り組む
必要があると認識いたしており、平成22年度までに耐震化率100%を目標として計画を進めておるところでございます。

耐震化事業を実施する場合、議員御指摘のような課題が考えられますが、工事発注については、当面、市内業者で対応可能であります。工事件数が約3倍となる平成21年度、さらには22年度には県内の施工業者も視野に入れる必要があると思われま
す。施工に当たっては、児童・生徒の安全・安心を最重要と考え、設計段階から学校、児童クラブ、工事担当課と連携をとり、夏休みの期間を最大限活用して工事を進めるなど、安全確保に努めてまいります。

また、余裕教室がない場合には、仮設校舎を設置するなどして児童・生徒の安全を図るとともに、学習や学校運営に支障を来さないよう努めております。これらの財源として国庫補助金、市債を活用するなどして、一般財源への影響を極力少なくし、修繕費などに支障のないようにいたしますので、御理解のほどよろしくお願いをいたします。

次に、小・中学校校舎の耐震化事業費についてでございますが、今回の中期財政試算におきましては、平成22年度までに耐震化率100%を目標として、校舎、屋内運動場、合わせて236棟の改修工事を行うこととし、現時点での概算事業費約100億円
を各年度の投資的経費に盛り込んで試算をしております。また、その財源といたしましては、国庫補助金を2分の1、残りにつきましては、学校教育施設整備事業債及び行政改革推進債といった市債をほぼ全額充当した試算といたしております。

次に、合併特例債についてでございますが、先ほど申し上げました学校教育施設整備事業債など通常の市債と比較した場合、その元利償還金につきまして、普通交付税で措置される割合が高い有利な市債であります。今後、合併特例債を活用した場
合、現時点での試算では、最終償還時までに、通常の市債を活用した場合と比較して約27億円程度の普通交付税措置額の増加が見込まれるなど、大きなメリットがあるものと考えております。こうしたことから、小・中学校校舎の耐震化事業への合併
特例債の活用につきましては、広域行政調査特別委員会に報告をし、御了解をいただいたところでございます。

しかしながら、議員御指摘のとおり、合併特例債といえども借金であることには変わりございません。義務的経費である公債費が今後の財政運営を圧迫することのないように、市債残高をふやさないことを念頭に置いた計画的な財政運営を行っていかなければなりません。今回の合併特例債の活用も通常の起債を振りかえるものであり、市債残高の増加につながるものではありませんので、御理解のほどよろしくお願いをいたします。

そのほかの御質問につきましては、担当よりお答えをさせていただきます。

○議長(秋山正君)

内藤保健福祉局長。

(保健福祉局長 内藤知明君 登壇)

◎保健福祉局長(内藤知明君)

児童扶養手当の減額についてでございますが、児童扶養手当制度は、手当の支給により母子家庭の生活の安定と自立の促進を通じて、児童の健全育成を図ることを目的としており、国の取り扱い基準に沿った運用を行っております。

平成14年の母子及び寡婦福祉法等の改正により、母子家庭対策は、手当中心の経済的支援から就業・自立に向けた総合的な支援へ転換が図られ、児童扶養手当につきましては、平成20年4月から減額される予定となっております。具体的には、手当
を受け始めてから5年、もしくは支給要件に該当するとなってから7年のいずれか早い月からで、減額幅は2分の1を超えない範囲とし、母が障害を有する場合や対象児童が8歳未満の場合には、減額が行われないこととなっております。

本市におきましては、これまでに国に対し、児童扶養手当の減額緩和を要望する一方で、母子家庭の母の就業・自立に向けた支援として自立支援教育訓練給付金事業などに取り組み、就業に結びつくなど、一定の成果を上げております。

国においては、平成18年11月に実施した全国母子世帯等調査の結果を含め、各種関連データの収集・分析を行っており、減額内容などの詳細が本年12月ごろに公表されることと聞いております。

本市といたしましては、減額部分の補てんあるいは激変緩和のための措置等については、こうした国の動向を見きわめながら検討してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

○議長(秋山正君)

池上経済局参与。

(経済局参与 池上勉君 登壇)

◎経済局参与(池上勉君)

社会保険庁のホールサムインせとうちについてでございますが、当施設につきましては、昨年8月から11月の売却に関する入札受け付け期間を経て、12月に民間企業が落札し、現在オープンに向け準備を進めていると聞いております。

本市が入札に参加しなかった理由といたしましては、当施設の収支状況が赤字である上、施設修繕費などの費用負担が想定されること。また、官から民への流れの中、平成12年5月に閣議決定された民間と競合する公的施設の改革についての中で、
国又は特殊法人等が設置主体となる宿泊施設等の新設及び増築が禁止され、地方公共団体についても、これに準じた措置を行うよう要請があったことなどを総合的に勘案し、判断したものであります。

現在、国民宿舎王子が岳の管理運営につきましては、指定管理者制度を導入し、民間活力により経費の節減と利用者サービスの向上に努めているところでありますので、よろしくお願いいたします。

○議長(秋山正君)

4番 時尾博幸君。

(4番 時尾博幸君 登壇)

◆4番(時尾博幸君)

再質問をさせていただきます。2点再質問をさせていただきます。

1点は、耐震の関係なんですが、仮設校舎の設置費用が具体的にどういうふうに計算をされているかという点について、詳しく御説明をいただけたらと思います。

2点目に、国民宿舎王子が岳の件でございますが、これまで本会議の議論の中でも、最近であれば平成15年12月に亡くなられた岡 健太郎議員が、国民宿舎王子が岳についてこの場で質問をされています。その場では、先ほど言われた民間と競合する公的施設の改革についてという平成12年の閣議決定のことは触れられておりませんでした。平成15年に岡議員が質問しているんですけども、触れられていませんでした。

また、入札に参加するかどうかというまでは、倉敷市の担当課も前向きに考えられていたという点もありますし、また古市市長御自身もマニフェストの中で観光の施策については力を入れられていて、美観地区だけではなくて、御自分の出身の児島の地域の、例えば鷲羽山の夕日であるとか瀬戸大橋や瀬戸内海の多島美のことに触れられて、児島地区の観光振興についても積極的に取り組まれる意欲がうかがわれるわけでありますけれども、この閣議決定のことで言えば、近くの総社市がサンロード吉備路というのを国民宿舎としてつくっています。これも平成15年にオープンをしていますから、先ほど言われた平成12年の閣議決定の以降でありますけれども、その点等をかんがみて、官が果たす役割というのも、ある程度役割を担っていく必要があるんだと思います。「釣りバカ日誌」の記念のものを瀬戸大橋のたもとの方に展示をされたりということもございますが、国民宿舎のサンロード吉備路では観光センターと一緒に、観光センター、いわゆる観光案内所でありますが、そのようなものの併設をして国民宿舎を運営している等、努力をされているわけでありますが、国民宿舎の王子が岳については、官がある程度役割を果たす必要もあると思いますが、その点についてのお考えをお尋ねいたします。

○議長(秋山正君)

答弁を求めます。古市市長。

(「経営感覚を持った答弁やってください」と呼ぶ者あり)

(市長 古市健三君 登壇)

◎市長(古市健三君)

時尾博幸議員の再質問にお答えをいたします。

まず、耐震事業の中で、仮設教室をどのくらい見積もっているかという御質問だったと思います。これは、先ほども申し上げましたように、全体枠では約100億円ぐらいということで、できる限り地元業者にやっていただくという方向。さらには、それぞれの個別については、学校関係者あるいは設計の方とよく相談をしてやっていくわけでありますが、仮設教室をどの程度どうなっていくかということについては、個別のことになっ
ていきますので、その時点で皆さん方に御報告をしたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。

また、ホールサムインせとうちにつきましては、担当よりお答えをさせていただきます。

○議長(秋山正君)

池上経済局参与。

(経済局参与 池上勉君 登壇)

◎経済局参与(池上勉君)

観光施設の王子が岳につきまして、官が役割を果たすのもあるのではないかということでございますが、現在、国民宿舎王子が岳につきましては、官から民への流れの中で指定管理者制度、それからPFI方式等々、官から民への流れの中でござい
まして、基本的には宿泊施設等、民間で対応できるものは民間で対応していただくのが好ましいと考えております。

王子が岳と、それからホールサムインせとうちにつきましては、現在、残念ながら両施設とも収支状況が赤字の状況でございます。
(「ホールサムインは赤字じゃないぞ、黒字だぞ。よう調べておけ」と片沼議員発言する)
(「ええんじゃ、役所が手出しせんでええんじゃ」と呼ぶ者あり)

そういった点も総合的に勘案いたしまして、入札に参加しなかったというものでございますので、御理解のほどよろしくお願いしたいと思います。

(「だれがとめたんなら」と片沼議員発言する)

○議長(秋山正君)

4番 時尾博幸君。

(4番 時尾博幸君 登壇)

◆4番(時尾博幸君)

再々質問をさせていただきます。

市長の答弁で、仮設校舎の設置費用の件ですが、ちょっとはっきりしないかなというふうに思うんですが、余計に、まだこれ以上にお金が別にかかるというふうに理解をするんですが、その中でまた3年間でこだわっていくと、いろんなところにしわ寄せが行くと考えられます。今、今議会で議論をしているチボリ公園の問題や市立短大の4年制化の問題等のことがこれから、今回の中期財政試算には入ってないわけですから、その辺のあたりが入ってくると、3年に学校耐震事業はこだわることなく4年以上等長引いてもしっかり整備をしていく必要があると思うので、3年にこだわることなく、ほかの財政に影響することないよう要望して、再々質問とさせていただきます。要望で。(拍手)

 
 
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