○議長(大橋賢君)
次に、12番 時尾 博幸議員。
(12番 時尾 博幸君 登壇)
◆12番(時尾博幸君)
(拍手)青空市民クラブの時尾 博幸です。
通告に従いまして、4点質問をさせていただきます。
まず最初に、伊東市長のマニフェストについてお尋ねいたします。
伊東市長におかれましては、昨年4月に行われた市長選で三つどもえの激戦を制され、ことしの5月19日で市長就任丸1年を迎えられたところと思います。市長選の際に掲げられたマニフェストに基づき、大きな柱として、「子育てするなら倉敷でといわれるまち」、「安心して暮らせるまち」、「個性と魅力を伸ばすまち」という3つのまちづくりの柱による市政運営により、倉敷市の持つ個性や魅力と、市民の皆さんの持つ力を合わせた「くらしき力」を最大限に生かした、明るさと希望あふれる「世界に誇る倉敷市に!」向かって進んでいくため、日夜奮闘されていることと思います。
そこで、伊東市長のマニフェストに基づく市政運営について、3点質問をさせていただきます。
この項1項目めとして、事業計画、いわゆるアクションプランの策定状況についてお尋ねいたします。
昨年の11月定例会において、伊東市長のマニフェストの検証・評価についての私の質問に対して、伊東市長は、現在公約の内容を踏まえて、この4年間に重点的・集中的に実施する事業計画として、アクションプランというような形のものを策定していく準備を進めておられる旨の答弁をいただきました。
そこでお尋ねいたしますが、事業計画、いわゆるアクションプランの策定状況について、その後の進捗状況についてお尋ねいたします。
この項の2項目めとして、マニフェストと総合計画の関係についてお尋ねいたします。
現在、本市においては大きな指針であるとともに、倉敷市の進むべき道を示す次期総合計画の平成23年度からのスタートに向けて、市民の皆さんと協働して策定の取り組みを進められていることと思います。選挙の際に掲げられるマニフェストと市政推進の最上位計画である総合計画との関係について、近年の首長選挙では、多くの候補がマニフェストを掲げて選挙戦を戦うことがスタンダードになってきている中で、マニフェストと連動して一体的な運用を図る総合計画システムの確立を進めている自治体も出てきています。
例えば、岐阜県多治見市は、首長選挙ごとにマニフェストを総合計画に反映させる取り組みをされています。議長のお許しをいただいて、お手元に資料を配付させていただいておりますが、1ページ目に多治見市のマニフェストと総合計画についての資料をお示しさせていただいています。同じものをパネルにさせていただいています。
多治見市では、この上の部分が総合計画の関係で、下の部分が首長選挙、マニフェストの関係で、選挙が4年ごとにあるということで記載があるんですけれども、この部分で第5次総合計画が、10年間の総合計画を平成13年から17年までの前期5年の実施計画と、後期は平成18年から平成22年までの5年間を展望計画として策定されています。こちらが選挙の関係ですけれども、3年目の選挙の翌年、3年目というのはこの平成15年の部分になりますけども、ここで市長選挙があってマニフェストを掲げられています。この選挙の翌年には見直しを行って、また次のこの選挙のとき、5年度目のときには第2次の実施計画の初年度に組み込んで、変化する経済社会情勢に弾力的に対応し、現実と長期計画のずれを埋めるために、施策・事業の見直しや部分的な修正を、定期的に行っていく手法であるローリング方式というのを採用されています。また、7年度目の選挙後には、翌年に総合計画自体の見直しを行っている部分ですけれども、9年度目と10年度目を、新たな第6次総合計画という記載がございますが、新たな総合計画に組み込む仕組みにされています。この方式は、5年、10年の計画期間と4年ごとの選挙のずれを補正しつつ、首長のマニフェストを計画に反映させるシステムであります。
また、宮崎県においては、東国原知事が平成19年1月の知事選当選後、マニフェストを県政に反映させるために、既存の総合計画との整合性を図るのではなくて、新しい総合計画「新みやざき創造計画」の策定に取り組み、これをわずか4カ月で完成されました。また、総合計画の期間は、知事の任期に合わせて設定されており、この点はマニフェスト連動型の総合計画として評価されているところであります。
このような取り組みが行われている中で、本市としても、次期総合計画の策定に当たり、マニフェストと連動して、一体的な運用を図る総合計画システムの確立を図られてはと考えますが、当局のお考えをお尋ねいたします。
この項の3項目めとして、マニフェストの検証・評価の取り組みについてお尋ねいたします。
社団法人倉敷青年会議所の主催で行われた倉敷市長選立候補予定者公開討論会で、各候補予定者がローカルマニフェスト──政策綱領を示されました。議長のお許しをいただいて、その際伊東市長がお示しをされたものを、2ページから裏面の4ページまで資料として配付させていただいています。
これを見渡しますと、実施の期限を1年以内としている項目が多く見受けられますけれども、例えば市長に就任をされて、就任早々公約の実施を果たされて、例えば子ども未来部の創設やマイバッグ・マイはし運動の積極的推進、また妊婦健康診査の14回までの無料化など、選挙の際に約束をした政策を真摯に実行されている部分も多くございます。残りの3年間、任期のこの4年間で、市民の皆さんにお示しをした公約の内容、マニフェストの内容を引き続き真摯に取り組みをしていただきたいと思いますけれども、伊東市長の市長就任1年を迎えて、市長のマニフェストの検証・評価を行おうとする市民グループの動きもあるように伺っています。マニフェストの検証・評価について、自己評価や第三者評価など、さまざまな手法がありますが、今後の取り組みについてのお考えをお尋ねいたします。
また、市長就任1年を迎えて、マニフェストの進捗状況の評価を市長御自身としての評価で、点数でつけるとすると何点ぐらいを考えられているのか、お尋ねをいたします。
次に、「全国学力・学習状況調査」、いわゆる全国学力テストについてお尋ねいたします。
平成19年度から始まったこの調査は、新聞報道等でも問題点が浮き彫りになっているにもかかわらず、今年度も実施がなされました。また、授業改善プログラムや学力向上対策の取り組みも、現場の声を聞くことなく始められています。調査の目的だけを推し進めようとする状況は、現場の先生の業務多忙に拍車をかけています。また、子供たちにも大きな負担をかけているところであります。
この全国学力テストについては、調査に参加しないこと、また参加する場合においても、データにかかわる全員を調査する悉皆調査から抽出調査にすること、また結果の公表については慎重を期し、決して地域や学校の序列化や過度の競争に陥ることがないように求めるところであります。
そこでお尋ねいたしますが、この全国学力テストについての吉田教育長の見解についてお尋ねいたします。
3項目めとして、予算編成システムの改革についてお尋ねいたします。
この項1項目めとして、いわゆる使い切り予算の見直しについてお尋ねいたします。
先日、市内のある地域での会合にお邪魔させていただいた際、民間企業にお勤めの市民の方から、いわゆる役所の使い切り予算について見直しができないのかという御意見をいただきました。さきに行われた市議選の際に作成した会派マニフェストの中にも、「刷新──CHANGE」の項目に、「一円の無駄も許さない徹底した行政改革の断行を提言します」ということで、「予算・決算審査のチェックをより厳格にし、年度末に予算を使い切るような無駄遣いをなくすよう提言します」と記載しています。
単年度で余った予算を、その年度内で無理に消化する使い切り予算を改めるため、担当部署の工夫や努力により予算の節減を行った場合には、節減相当額の一部を再配分するインセンティブ予算を取り入れるなど、全国の自治体でさまざまな取り組みが行われています。インセンティブ予算は、予算を使い切らないと翌年度は削られるという職員の意識改革をすることで、財政再建を行う行財政改革として導入されています。
前鳥取県知事で、現在慶應義塾大学教授の片山 善博氏は、「予算は多少余裕を持たせて組みますから、普通にやれば余るのが当然なのに、職員はそれを何としても消化しようとするんです。年度末になると、やたら東京への出張がふえたり、備品を買ったりする。鳥取ではこれをやめさせ、3年ほどかかりましたが、年に174億円ほども生み出すまでになりました。県税と地方交付税の合計額のざっと1割に相当します」と言われています。また、「なぜ予算を使い切るのかといえば、余らせると次の年に予算が削られるから、使わないともったいないという職員の意識があるからです。予算を組む財政課の職員も、おれたちが精査して組んだ予算を余らせるなんて、けしからんと思っている。この意識を変えないといけません」と、その実態について語っています。そして、「使い切りの意識を変えるには、使い切りをするような人はもう評価しない。余らせる人はちゃんと人事で評価するというメッセージを送り続けました」というふうに、片山前知事は言われています。
こうした中、本市において、使い切り予算の見直しについてどのように考えているのか、お尋ねいたします。
この項2項目めとして、新地方公会計制度実務研究会での公会計モデルの実証的検証に取り組んでの課題についてお尋ねいたします。
本市は、平成18年度に開催された「新地方公会計制度実務研究会」において、公会計モデルの一つである基準モデルの実証的検証を行い、その後、平成19年度決算から基準モデルに基づく財務書類4表を他の自治体に先駆けて作成し、公表したところであります。現金主義、単式簿記を特徴とする現在の地方自治体の会計制度に対して、発生主義、複式簿記などの企業会計手法を導入しようとする取り組みである公会計制度改革が進んでいますが、総務省が地方自治体に対して、企業会計手法を全面的に採用した「基準モデル」と、既存の決算統計情報が活用可能な「総務省方式改訂モデル」の2種類の会計制度を提案し、それ以外にも東京都や岐阜県などの先進的な自治体が独自に制定した公会計制度も存在しています。
本市として、総務省が推進している基準モデルの実証的検証に取り組んで、実際に作成していく上でどのような課題があったのか、また、これを今後どのように活用していくのか、お考えをお尋ねいたします。
この項3項目めとして、市民へのわかりやすい財務情報のディスクロージャーについてお尋ねいたします。
本市では現在、バランスシートや中期財政試算などの財務情報を公表していますが、専門的な財政用語が多く、市民にとって容易に理解できるものになっていないと思われます。伊東市長もマニフェストの中に、予算、決算などの情報をわかりやすく公開し、説明責任を果たしますと記載されています。
例えば、東京都千代田区は、財政白書の巻末に事業別コスト一覧表を掲載し、区が実施しているすべての事業について、アウトプット1単位当たりのコストがきちんと計算されています。例えば、小学校給食1食当たり837円など、行政コストの数値を住民1人当たりで算定することにより、読者である住民にとってもイメージがつかみやすくなると同時に、人口規模が異なる類似団体等との比較も容易になるものと思われます。
このように、もう少し市民にとってわかりやすい財務情報の公開にするために、内容に改善が必要ではないかと考えますが、お考えをお尋ねいたします。
最後に、4項目めとして、エコカーの普及についてお尋ねいたします。
今月4日、主力生産拠点である本市にある三菱自動車工業水島製作所で、電気自動車の量産が開始されました。自動車メーカーによる電気自動車の本格生産は世界初で、来月──7月から自治体など法人向けに販売し、個人向けには来月──7月下旬から予約を受け付け、来年4月より販売する計画と伺っています。
日本自動車販売協会連合会が今月4日に発表したことし5月の軽自動車を除く登録車販売ランキングでは、トヨタ自動車のハイブリッド車プリウスが初めて首位になりました。その前の4月には、本田技研工業のインサイトが1位になり、2カ月続けてハイブリッドカーがランキング1位になっています。ことしの4月から始まった環境対応車普及促進税制、いわゆるエコカー減税の影響も及んでいると思われます。このエコカー購入補助の実施について、国だけでなく、きのうの大橋 健良議員の質問で取り上げられた神奈川県など、自治体でも実施しているところがあります。
平成10年に全国で初めて、低公害車を購入した方への補助を行う低公害車普及促進事業補助金制度を愛知県豊田市が導入しました。この補助金は、低公害車を購入し使用する方に対して、購入に要した費用の一部を補助することにより低公害車の普及促進を図り、市民の省エネルギー対策を促進することで、地球温暖化防止に寄与することを目的としています。補助対象低公害車は、四輪の原動機付自転車を含む電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車、エンジン排気量1800cc以下のハイブリッド車となっており、補助金額は車両本体等価格の5%で、上限12万円となっています。
本市においても、伊東市長のマニフェストに掲げる環境最先端都市・グリーン自治体を推進していくためにも、エコカーへの購入補助を本市として行ってはと考えますが、当局のお考えをお尋ねいたします。
以上で私の質問を終わらさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(大橋賢君)
ここで休憩いたします。再開は11時15分からの予定です。
午前11時 4分 休 憩
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
午前11時16分 開 議
○議長(大橋賢君)
休憩前に引き続き会議を開きます。
答弁を求めます。伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君)
時尾 博幸議員さんの御質問に順次お答えをさせていただきます。
まず、市長のマニフェストについての御質問をいただきました。そのうち、事業計画の策定状況についての御質問をいただいております。
公約の内容を踏まえまして、市長任期中に重点的・集中的に実施をいたします事業の計画の策定に当たりましては、担当部局とよく相談をし、そして共通理解のもとでの計画にしたいと考えております。このため、副市長も交え、各局長等と現在協議を重ねているところでございます。
その中で、「子育てするなら倉敷でといわれるまち」、「安心して暮らせるまち」、「個性と魅力を伸ばすまち」、この3つの柱に沿って実現をしていくため、私の公約事業のみならず各部局からの積極的な提案も求めているところでありまして、それらも含めました事業計画にしていきたいと考えているところでございます。
また、現下の経済状況の中で今後の歳入の見通しにつきましても、大変厳しくなるということも見込まれており、また緊急的な地域経済対策など、これまでに比べまして、優先的に取り組むべき事項の状況も変わってきている、そういう点も見きわめていく必要があるかと考えております。こうしたことから少し時間を要しておりますけれども、中期財政試算を公表していく時期までには、一定の検討の成果を公にできるようにしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
また、マニフェストと総合計画の関係についての御質問をいただきました。
議員さん御指摘のように、各自治体におきまして市長公約と総合計画の関係について、例えば任期と計画期間のあり方など、さまざまな工夫をされているところがあるというふうには伺っております。倉敷市におきましては、次期総合計画の中におけます市長公約との関係を考慮すべきというふうに考えておりまして、その整合性をどういうふうに図っていくかを現在検討しているところでございます。
また、3点目に、マニフェストの検証・評価の取り組みについての御質問をいただきました。
私の公約を、市民団体の皆様方が評価・検証しようとされる動きがあるとのお話を先ほど伺いましたが、市政に対しまして強い関心を持っていただいているというふうに受けとめまして、大変うれしく思っております。
就任後1年間の実績といたしましては、全国に先駆けて妊婦健診の公費負担の回数を5回から14回までに拡大したこと。小1グッドスタート支援事業を、丸1年間への拡大を行ったこと。また、環境の対策として、生ごみ処理容器の補助の拡大の大幅な拡充、また今年度も校・園庭の芝生化の推進や、例えば市民活動センターの設置、もしくは福祉としての緊急時ショートステイ情報検索システムの先日の導入など、公約実現に向けて一生懸命頑張っているところでございます。これらについて、自己評価をというお話でございましたが、評価につきましては、市民の皆様や議会の皆様にゆだねさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
その他の御質問については、担当よりお答えをさせていただきます。
○議長(大橋賢君)
吉田教育長。
(教育長 吉田 雄平君 登壇)
◎教育長(吉田雄平君)
全国学力・学習状況調査への参加についてでございますが、この調査は、国が全国的な義務教育の機会均等と水準向上のため、児童・生徒の学力・学習状況を把握、分析し、教育の結果を検証し、改善を図ることや、各学校が児童・生徒の学力・学習状況を把握し、教育指導や学習の改善等に役立てること等を目的として行っている調査であります。
倉敷市教育委員会では、教育重点施策として確かな学力の向上を掲げており、この調査を該当学年すべての児童・生徒に実施し、学力向上に生かすことは意義あるものと考え、参加を決定しているところでございます。また、一人一人の児童・生徒の学習改善を進めるという調査の目的を達成するためには、抽出ではなく、毎年該当学年の全児童・生徒に実施する必要があると考えております。
次に、結果の開示についてでございますが、文部科学省の実施要領には、序列化や過度な競争につながらないよう十分配慮して適切に取り扱うものとするとした上で、市町村教育委員会は、市内の学校の状況について個々の学校名を明らかにした公表は行わないことと示されております。
倉敷市教育委員会では、実施要領に従って過度な競争につながらないように配慮し、倉敷市の平均正答率の数値や市内の学校名を明らかにした公表を行わず、倉敷市の学力の概要として、全国や岡山県と比較した状況をまとめて公表しております。本年度も調査結果の開示については、こうした公表についての基本的な考え方を踏まえ、情報公開にかかわる法令に従い、適正に対応していく考えでございますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
○議長(大橋賢君)
末永企画財政局長。
(企画財政局長 末永 洋之君 登壇)
◎企画財政局長(末永洋之君)
予算編成システムの改革についてのうち、使い切り予算の見直しについてでございますが、一般的に予算の使い切りと批判されますのは、必要性、緊急性の乏しい無駄な経費に余った予算を使い、予算の不用額──用いなかった額ということですが、不用額を減らそうとする場合であると理解しておりますが、こうしたことは、予算の不用額を発生させることで次年度の予算を削減されたり、必要な業務を怠っていると見られたりしがちであるというように、不用額について、とかくマイナスの評価がなされてしまうことに原因があるのではないかと考えられます。しかしながら、予算の不用額も、例えば担当部署の創意工夫や努力による経費節減に伴う不用額であれば、より少ない経費で予算化した目的が達成されたということであり、好ましい不用額であると言えます。
無駄に予算を使い切るというようなことは、あってはならないことであり、こうしたことが起きないように、倉敷市では予算執行方針の中で、入札残金については不用額とするよう各部署へ通知し、また財政担当でも予算の流用などのチェックを行っているところでございますが、一方で、不用額を一概に避けるべきものであるとする考え方を改めていくことにより、予算の無駄遣いをさらに防いでいくことができるのではないかとも考えております。
御指摘のインセンティブ予算の導入につきましては、広告の収入について、その一部を実施した部局へ配分する取り組みを既に進めているところでございます。さらに、好ましい不用額についても、そうした仕組みを導入することにより、不用額に対する考え方を改めていく一つの方策になるのではないかと見込まれますが、実際どのような効果があるのかなどについて、今後他市の状況等の情報も収集しながら調査してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、新地方公会計制度実務研究会での公会計モデルの実証的検証に取り組んでの課題についてでございますが、倉敷市では平成19年度決算より、基準モデルに基づく財務書類4表、具体的には貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書を他の自治体に先駆けて作成し、公表しております。
この新しい財務諸表は、これまで作成してきたものに比べ、作成過程において、土地や建物などの固定資産について、すべての資産を網羅的に把握し、価格の再評価を行うという点と、民間企業と同様に複式簿記の考え方を採用しているという点が大きく異なっております。このため、新たに作成する場合の課題として、すべての資産を洗い出し、またその評価額を算定する必要があり、作業面の負荷が非常に大きいということや複式簿記の知識を習得しなければならないということが挙げられます。
財務諸表の活用につきましては、平成20年度決算から公共施設の管理運営費など、事業別の行政コスト計算書を順次作成していく予定としております。これを活用し、市民の皆様に身近な施設のコストをお示しするとともに、事業の費用対効果の検証を行ってまいりたいと考えております。さらに、今後事務事業評価とも連携しながら、事務事業を改善するための材料としても役立ててまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に、市民へのわかりやすい財務情報のディスクロージャーについてでございますが、現在倉敷市が公表しております財務に関する情報としては、毎年9月に策定しております今後3カ年の財政見通しである中期財政試算や、昨年度から公表が義務づけられた健全化判断比率などの財務指標、資産・負債の状況を示すバランスシートの財務諸表などがあります。これらは本市の財政状況について市民の皆様にお知らせするとともに、より一層の御理解をいただくため、広報紙やホームページなどを通じて公表しているものでございます。
これまでも、本年度の当初予算の公表におきまして、概要資料に重点事業の説明と資料編を新たに追加するとともに、広報紙では、「子育てするなら倉敷でといわれるまち」など3つの市の重要施策ごとに事業を紹介するなど、わかりやすい情報提供に努めております。しかし、議員御指摘のとおり、財務に関する情報には専門的な用語が多く、このことが、内容がわかりにくいという状況の一因になっていると思われます。したがいまして、今後も内容や表現を工夫していくとともに、財政に関する用語集を新たに作成しお示しするなど、市民の皆様にできるだけわかりやすく財務情報に接していただけるよう努力してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○議長(大橋賢君)
淺野環境リサイクル局長。
(環境リサイクル局長 淺野 憲次君 登壇)
◎環境リサイクル局長(淺野憲次君)
エコカー購入補助の実施についてでございますが、エコカーとは、電気自動車、ハイブリッド自動車やクリーンディーゼル自動車など、排出ガスと燃費の基準をクリアした環境性能にすぐれた車のことであります。本市水島にある企業においても、世界で初めて電気自動車の量産が始まり、来年の一般発売とともに、民間企業、さらには一般家庭への普及が期待されております。
これらのエコカーには、購入時に国の補助──自動車重量税・所得税などの免除や軽減措置があり、普及拡大を支援されております。議員御指摘のとおり、地方自治体においても豊田市や神奈川県など、購入時の補助を行っていますが、倉敷市におきましては、現在加入している岡山県電気自動車等普及推進協議会での検討結果を踏まえ、電気自動車の普及に取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(大橋賢君)
12番 時尾 博幸議員。
(12番 時尾 博幸君 登壇)
◆12番(時尾博幸君)
再質問をさせていただきます。
伊東市長のマニフェストについての項目のうち、検証・評価に関する部分でありますけれども、私と同じような趣旨で、1年たって点数をつけるとしたらいかがですかというような話を、定例記者会見のときにマスコミの皆さんが同じような質問をされたら、市民の皆さんに評価をゆだねるということで、市長さん、お答えをされたというふうにお伺いをしています。検証・評価の関係で、マニフェストと総合計画の関係の質問をさせていただきましたけれども、前の古市市長のときには、マニフェストは後援会で評価をするもので、総合計画を市として評価をするべきじゃないのかということで、前の市長のときにはそのマニフェストの検証・評価について、ちょっと市として行き過ぎている部分があるのじゃないのかという御意見もあったように伺っています。神奈川県の松沢知事は、御自分で自己評価をされたり、シンクタンク等の第三者機関に評価をされたりしていますけれども、この辺のマニフェスト、総合計画の関係について、これから総合計画にマニフェストを反映させていかれるということですので、その辺の考え方について、マニフェストの評価は後援会でして、総合計画にマニフェストを反映させるので、市としてはその総合計画だけ評価をしていくというふうに考えるのか、ちょっとそのあたりのお考えをお聞かせいただければと思います。
○議長(大橋賢君)
伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君)
時尾 博幸議員さんの再質問にお答えをさせていただきます。
マニフェストについての御質問ということで、まず点数ということでございましたが、評価の点数というものは、学校でも先生がつけられるということでございますので、自分でつけるというものではないとは思っております。そういう面で、皆様に評価をしていただきたいというふうに申し上げたわけでございます。
しかしながら、この公約に掲げております内容といいますものは、今後の総合計画、市の執行していく計画の中で実行していきたいと思っておりまして、既に実行しているものもありますけれども、実行していきたいと思っております。そういう観点で、市の中でも職員さんとも協議をし、事業計画の中にどういうふうに位置づけていくかというふうに検討しているところでございます。この事業計画につきましては、当然のことながら、市の事業の検証・評価を行っていくことになりますので、その中でということになろうかと思っています。
また、マニフェスト自体ということで、第三者評価、例えば市民の皆様が評価をされるときに、それぞれの項目について、どうなっているんだということがあれば、それは市の計画ということではなくて私個人として、倉敷市長ということではなくて、マニフェストをつくりました個人として、こういうことをしましたということを、その評価をされる皆様に御提供を申し上げると、そういう関係になろうかと思っています。私個人として選挙のときに公約をしたものを皆様が評価されるのと、その私が公約としましたものを市の事業の中で反映をして、市の行政として評価をしていただくというものとは少し違うものかなというふうに思っております。
いずれにいたしましても、その公約を挙げまして、今市長として仕事をさせていただいているわけですので、その公約について、市の事業としてもしっかり進めていきたいというふうに思っており、その観点からも評価をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
|