○議長(森守君)
それでは、先週に引き続き質問を行います。
初めに、12番 時尾 博幸議員。
(12番 時尾 博幸君 登壇)
◆12番(時尾博幸君)
(拍手)おはようございます。青空市民クラブの時尾 博幸です。
通告に従いまして、2点質問をさせていただきます。
まず最初に、防災対策について質問させていただきます。
この項1項目めとして、自治体間の災害時応援協定の締結について質問させていただきます。
先日、会派で倉敷市がボランティアの活動拠点としている岩手県遠野市にお邪魔させていただき、遠野市が設置している沿岸被災地後方支援室の方からお話をお伺いする機会に恵まれました。その中で、今回の東日本大震災発生後の対応で、国、県、市町村という縦のつながりでは迅速な対応ができず、自治体間の横のつながりの有効性についてお話を伺いました。
また、東日本大震災後、ある会合で、元三重県知事で現在早稲田大学大学院教授の北川 正恭氏のお話を伺う機会がありました。北川先生御自身も、今回の東日本大震災の発生時は宮城県仙台市内におられ、数日間、仙台市内で避難民として過ごされたそうでありますが、今回の震災では、首長の取り組みにより支援物資の差が見られたり、先ほど上げた遠野市で伺ったお話と同じく、自治体間の横のつながりや連携の重要性についてお話をされていました。
各自治体間での防災協定の締結など自治体間での横のつながりや連携について、執行部より議会主導のほうがやりやすい面があるので、地方議会でぜひ考えてほしいと北川教授が言われていました。例えば、海側に面する自治体と山側に面する自治体、東日本と西日本の自治体など、災害発生時に相互応援を行うため、災害時相互応援協定の締結を進めてはどうかと考えますが、お考えをお尋ねいたします。
この項2項目めとして、災害時の倉敷市社会福祉協議会や倉敷ボランティアセンターの位置づけについてお尋ねいたします。
今回の震災では、本市においても、倉敷市社会福祉協議会で被災地復興支援のボランティア募集を行い、現地で成果を上げていますが、今回の震災に限らず平成16年に本市で起きた台風災害の際に、ボランティア活動に対する課題もあったと伺っています。
災害対策基本法に基づき策定している本市の地域防災計画には、ボランティアの受け皿の組織となる倉敷市社会福祉協議会や倉敷ボランティアセンターと倉敷市との位置づけの記載が十分でないと思われます。
倉敷市と倉敷市社会福祉協議会では、市内5カ所について、災害時における災害ボランティア活動に関する覚書が締結されています。この覚書は、災害時における災害応急対策活動として行う災害ボランティア活動に関する協力体制について、必要な事項を定めるとされていますが、主には、災害時の災害ボランティア活動を推進するための倉敷市災害ボランティアセンターの設置やその設置場所に関するもので、実質的な活動に関する予算や倉敷市からの支援体制などの詳細については、担当者同士では口約束ができていても、もし災害が起きた際に実効性があるものとして、覚書や協定書として締結しておくべきと思います。
例えば、市域内の中国電力株式会社関係機関や市域内企業及び土木建設業者などとは、防災対策として実施する事務または業務の大綱が地域防災計画の中に示されていますが、倉敷市社会福祉協議会や倉敷ボランティアセンターについての記載は見受けられません。これから行われる地域防災計画の見直しの際には、それらの記載を明確にし、また具体的な予算や支援体制等についても、協定書や覚書を締結しておくべきだと考えますが、お考えをお尋ねいたします。
この項3項目めとして、福祉避難所の指定についてお尋ねいたします。
福祉避難所とは、災害救助法に位置づけられ、高齢者、障がい者、妊産婦、乳幼児、病者等、一般的な避難所では生活に支障を来す人たちのために何らかの特別の配慮がなされた避難所であるとされ、一般的には2次避難所として位置づけられています。在宅の要介護高齢者らを対象に専門の介助員を配置する福祉避難所は、福祉施設のほか、一般の避難所の一角などに都道府県や市町村が開設をします。
平成7年の阪神大震災の際、高齢者などのケアが不十分で、災害関連死が相次いだのを教訓に創設されました。災害時に介護の必要な高齢者や障がい者を一時受け入れてケアする施設で、バリアフリー化され、専門スタッフを配置した介護施設や学校を自治体が指定し、民間施設の場合は事前に協定を結んでおくとされています。国がガイドラインで自治体に指定を促してもいます。
現在岡山県内では、県の働きかけもあり、高梁市、新見市、備前市、瀬戸内市の4市7カ所となっているそうですが、受け入れ可能人数は合計75名にすぎず、まだ指定のない市町村も多く、高齢者や障がい者、難病患者、妊産婦などの必要な数に対して、圧倒的に足りないことは間違いありません。
福祉避難所を実際に運営するために必要な人材や物資・器材などの確保についても、課題があると思いますが、本市として、福祉避難所の指定についてはどのように考えているのか、お考えをお尋ねいたします。
この項4項目めとして、事前復興計画の策定についてお尋ねいたします。
東日本大震災では、現在国において、復興に向けた指針策定のための復興構想について、東日本大震災復興構想会議で議論が行われています。
東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島3県でも復興計画の策定作業を進めており、岩手県や宮城県は9月定例県議会に、「復興基本計画案」が提出される予定と伺っており、また福島県は、基本理念と大まかな施策を示す「復興ビジョン」を7月末、ビジョンに基づいて具体的な政策を進める「復興計画(第1次)」を、年末をめどに策定されると伺っています。
東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県の市町村でも、現在復興計画がまとめられていますが、現実に震災が起きると応急対策に手がとられて、復興まですぐ手が回らないのが現状であります。被災後、被災者の生活再建が最重要課題になる中で、被災直後の混乱期に初めて復興の準備に取り組み、十全に実行していくことは容易ではありません。そこで、災害発生時ではなく平常時に、災害が発生したことを想定し、事前に復興対策について検討し、できれば事前復興計画の立案・策定システムを整備しておくことは有効な手法だと思われます。
例えば、東京都は阪神・淡路大震災における検証結果を踏まえ、平成15年3月に、地域による新しい協働復興の仕組みを提案する「東京都震災復興マニュアル」を策定しました。このマニュアルは、行政担当者向けの復興事務の手引書である「復興施策編」と、被災者の行動指針となるよう地域力を生かした復興を行うためのさまざまな仕組みを提案した「復興プロセス編」から構成されています。復興について、自治会や町内会、自主防災組織など、平常時にてこ入れを行い、いざというときに活動できるよう、震災が起こる前から被災後の状況をイメージしながら問題解決に取り組み、区市町村が地域住民と協力して、地域課題の調査、課題の検討、地域復興に関する計画作成など、復興時に備えた活動に取り組まれています。
平常時に地域の方と一緒に事前復興計画を考え、いざというときに機能できるようにするためにも、本市において、事前復興計画の策定に取り組んではと考えますが、お考えをお尋ねいたします。
次に、2点目として、職業相談についてお尋ねいたします。
この項1項目めとして、ワークプラザたましま(倉敷市求職者総合支援センター)の存続についてお尋ねいたします。
倉敷市玉島支所4階に設置されています倉敷市求職者総合支援センター──ワークプラザたましまは、ハローワーク玉島の閉鎖後、雇用情勢が厳しい中、離職を余儀なくされた者等求職者の生活の安定及び再就職の促進を図るため、国の緊急雇用創出事業を活用して設置をされ、倉敷市が行う生活・就労相談と公共職業安定所の行う職業相談・職業紹介等を一体的に行い、求職者に対する総合的な就業・生活支援を行っています。
先日、会派で管内視察を行い、ワークプラザたましまにお伺いをしましたが、ワークプラザたましまが設置されている玉島支所4階では、廊下にいすを並べて求職者が順番を待っている状況で、依然、雇用情勢が厳しい中、職を求めている方の利用状況の高さを改めてうかがい知り、この事業の必要性を感じました。しかし、ワークプラザたましまは、国の緊急雇用創出事業として設置しているため、今年度末で終了する予定と伺っています。このような状況の中、利用者からはワークプラザたましまの来年度以降の存続を求める声がありますが、このことについてどのように考えているのか、お考えをお尋ねいたします。
この項2点目として、職業情報提供コーナーの改善についてお尋ねいたします。
倉敷市水島支所4階に設置されている職業情報提供コーナーは、週4回(月・火・木・金)と倉敷市が行う職業情報提供と、週2回(火・木)とハローワーク倉敷中央が行う職業相談・職業紹介のサービスを受けることができます。利用者の利便向上を図るため、現在ハローワーク倉敷中央が行う週2回の職業相談・職業紹介のサービスを、同コーナーで倉敷市が職業情報提供を行っている日に合わせて、週4回にふやすことはできないのか、お考えをお尋ねいたします。
伊東市長並びに関係当局の明快な答弁を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(森守君)
答弁を求めます。伊東市長。
(市長 伊東 香織君 登壇)
◎市長(伊東香織君)
皆さんおはようございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、時尾 博幸議員さんの御質問にお答えをいたします。
まず、防災対策についてのうち、自治体間の災害時応援協定について御質問をいただきました。
この災害時の応援協定でございますが、相互の自治体同士が、災害時に独自で十分な応急措置等が実施をできない場合に、相互に応援協力をするというときに結んでおりまして、例えば現在倉敷市が結んでおりますのは、中核都市同士で結んでおります中核市災害時相互応援協定がございます。そしてあと、モーターボート競走事業を行っております都市同士が結んでおります大規模災害時の相互応援に関する協定というのがございます。今回も倉敷市からは、中核市災害時相互応援協定に基づきまして、郡山市、そしていわき市に対しまして、支援物資などを搬送したりするという応援を行っているところでございます。また、モーターボートのほうでは、大きな被害ということではなかったようでございまして、こちらでは、今のところ応援は行っておりません。
そして現在、市長会の中でコンビナートに関する災害時の応援協定ということで、石油基地がある自治体に関しまして、石油基地自治体の協議会によります災害時相互応援協定について締結の準備を進めているところでございます。そして、岡山県内といたしましては、昨年の11月に県内の15の市全部合わせまして、岡山県下の15市災害時相互応援に関する協定を締結いたしております。近隣市同士の連携、そして中核市、また同じような場所などがあります都市同士の協定を今結んでいるところでございますが、今後につきましても、このような形で他の協定などの必要性がないかどうか検討をしてまいりたいと考えております。
続きまして、災害時の社会福祉協議会とボランティアセンターのことにつきまして御質問をいただきました。
今回の東日本の災害につきましては、市とそして社会福祉協議会、ボランティアセンターとの連携が非常にうまくいっているのではないかというふうに考えております。倉敷市から東日本に出しておりますボランティアの皆さんを現地のほうにお運びをしますバスにつきましては、倉敷市が遠野市のほうまでバスを借り上げまして運行を行っております。そして、倉敷市社会福祉協議会が遠野市の社会福祉協議会と調整・協議をしていただきまして、倉敷市においてのボランティアの募集、そしてバスの利用者の受け付け、そして現地の遠野市との間での、現地でどういうふうな活動をしてもらうかという調整などを行っているところでございます。
現在の倉敷市の地域防災計画の中では、このように実態的には社会福祉協議会、そしてボランティアセンターが活動をしてしていただくようになっているのですが、具体的な記載が今のところなされておりません。ですので、今後の、次回の地域防災計画の見直しに当たりましては、倉敷市の防災会議に諮りまして、この社会福祉協議会の位置づけなどについて明記をしていきたいと考えております。
また、協定書や覚書につきましても、現在のところはございません。ですので、今のところ非常によい関係でやっておりますけれども、今後、また何かあった場合のときのために、覚書、協定書などにつきましても検討をしてまいりたいと考えております。
その他の御質問につきましては、担当よりお答えを申し上げます。
○議長(森守君)
淺野総務局長。
(総務局長 淺野 憲次君 登壇)
◎総務局長(淺野憲次君)
2点の質問をいただきました。
まず、福祉避難所の指定についてでございますが、現在小・中学校の体育館など一般の避難所では、生活に支障を来す高齢者、障がい者等の方々につきましては、公民館など畳の部屋を提供するようにしております。
昨年7月、災害時要援護者避難支援プランを策定し、その中で要援護者が安心して避難できる施設を福祉避難所として位置づけるものといたしました。今後、現在の公民館などの利用に加え、特別養護老人ホームなどの福祉施設を福祉避難所とすることについて進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
次に、事前復興計画の策定についてでございますが、今回の震災のような大規模な災害から、いち早い復旧・復興をするための一つの手段であると考えています。災害の種類や被害状況によりさまざまなケースが考えられ、今後研究してまいりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
○議長(森守君)
松原文化産業局長。
(文化産業局長 松原 信一君 登壇)
◎文化産業局長(松原信一君)
職業相談についてのうち、ワークプラザたましまの存続についてでございますが、平成20年度末に廃止された玉島公共職業安定所にかわる就労支援窓口として、岡山労働局との連携のもと、玉島支所内にワークプラザたましまを設置し、市が行う生活・就労相談とハローワーク倉敷中央が行う職業相談・職業紹介等を、一体的に実施をいたしております。市は、住居、生活支援相談員1名の配置を、またハローワークも、求人紹介の資格を有する職業相談員4名と求職者が自由に求人情報を検索できる求人検索端末8台を設置し、双方で連携して求職者に対する総合的な就業・生活支援を行ってまいりました。
この事業は、緊急雇用創出事業を活用し、岡山労働局と連携して実施してまいりましたが、今年度末をもって制度が終了することとなっております。しかし、最近の厳しい経済・雇用情勢から、1日当たり100名を超える皆様が利用されておりまして、玉島地域の就労支援のため必要な事業と考えております。倉敷市といたしましては、ワークプラザたましまを平成24年度以降も、国と連携する形で存続できるよう、現在国に対し強力に要請をしているところであります。
次に、職業情報提供コーナーの改善についてでございますが、職業情報提供コーナーは、国と倉敷市が実施してまいりました高年齢者職業相談室が、事業仕分けによって平成21年度末で廃止されたのを受けまして、水島地域の求職者に対する就労支援窓口の拡充を図るため、ハローワーク倉敷中央の御協力をいただいて、平成22年4月に水島支所に開設したものであります。平成22年度の利用実績といたしましては、1カ月当たり約1,100人と、多くの市民の皆様に御利用をいただいております。
このコーナーは、市の嘱託員による週4回の職業情報の提供と、ハローワーク職員による週2回の職業相談・職業紹介を実施しています。ハローワーク職員による職業相談・職業紹介の回数をふやすことにつきましては、ハローワーク倉敷中央に対し要望してまいりたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
○議長(森守君)
12番 時尾 博幸議員。
(12番 時尾 博幸君 登壇)
◆12番(時尾博幸君)
再質問をさせていただきます。
1点要望なんですけれども、職業相談についてのワークプラザたましまの存続についてのほうでございますが、先日、会派で管内視察で伺ったときに資料もいただきました。平成22年度の利用状況を見てみますと、年間を通して、年齢の区分では34歳までと35歳から44歳の区分が年間約6,500人ぐらいで、同じぐらいの数字が55歳以上の方も約6,500人ぐらいいらっしゃいます。その間の45歳から54歳が4,500人ぐらいで、若干ほかの今上げた部分に比べると少ない区分になっておりますけれども、これを見るとやっぱり若い30代半ば、40前までの利用者の方と、あと先ほどの水島支所の職業情報提供コーナーの関連もございますが、55歳以上の方の利用というのも多くて、お話をお伺いしていると、ワークプラザたましまが閉鎖をされた後、例えばもしこれが閉鎖になった場合に、55歳以上の高齢者の方は、高梁川を越えて御相談に行こうと思うのが困難な方もいらっしゃるというような状況もお伺いをしていますので、ぜひこのワークプラザたましまの存続については、引き続き来年度以降も存続をしていただきますよう要望させていただきまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。
|